2023/05/8


カテゴリー : グルメ | 商い

前回に引き続き、お弁当屋さん「ホットスマミー」の谷 隼人さん。

今回は起業の際に直面した課題や困難、それらを乗り越えた方法など、貴重な体験談が語られています。この記事を読むことで、起業に興味がある方や起業家として苦戦している方にとって、なんらかのヒントや励みになるのではないでしょうか。

谷 隼人さん

開業時はコロナの真っ只中でしたよね?

めっちゃ不安でした。「こんな時にオープンしてええんか?」みたいな気持ちもありましたし、コロナ対策と言っても、どこまでやればいいのかもわかりませんでした。

しかも、コロナのことばかり考えているわけにもいきませんでしたし。

助成金とか色んなことの兼ね合いで、もう絶対に3月のあの日にオープンせざるを得ない状況もありまして。

なかなか大変な状況でしたね

でも、今から考えると、オープンせざるを得ない状況に追い込まれて、逆に良かったとは思うんですけどね。

どこもオープン前ってそんな感じだと思いますし、そうじゃなかったら、踏ん切りつかなかったと思います。

いざ開業されていかがでした?開業日には、かなり多くのお客様が来店されていたように思いますが?

オープンの日はもう思い出したくないです。もう、お客さんにいっぱい迷惑をかけてめちゃくちゃでした。改善点だらけで大変でした。

どれくらい大変だったんですか?

例えば「提供まで2時間かかります」と言っても、 2時間後に来て頂いたお客さんにもそのお弁当が全然出来ていない状況で。

途中から何人もご注文をお断りさせて頂いたんですが、それでもそんな状態が1日続いてました。 オープン当初に来て頂いたお客様には本当に申し訳なかったです。

そんな大変だったんですね。

その後も、朝5時に店に来て夜中3時ぐらいに帰る日々が続きました。オープンして最初の1週間ぐらいは、大変過ぎて本当に記憶がありません。

ところでホットスマミーという屋号は少し個性的だと思うのですが、何か由来があるのでしょうか?

お店を始める時に最初に出てきたのが、家族への感謝の気持ちです。

そこで、今、5人家族なんですけど、その5人の名前のイニシャル「h」「s」「y」をまず書いて並べたうえで、お弁当屋さんとしてのキーワード、そして地域活動をしていた時に常々言っていた『笑顔』を合わせて、考えた末に、hot(あたたかい),smile(笑顔),yummy(おいしい)に結びつけてホットスマミーにしました。

日常業務に追われてイライラして、家族への感謝の気持ちを忘れたりしないように。

家族への想いが伝わってくるいい屋号ですね。

色々考えたんですよ、もっとシンプルに、昭和の弁当屋さんみたいな名前とかの方がいいんじゃないかとか。

今で開業されて1年が経ちました。状況はいかがですか?

想像以上に大変です。

何が大変ですか?

以前20年間弁当屋をやっていた経験がありましたので、これぐらいはこなせるだろうという思いはあったんですが、それを遥かに上回る仕事量がありまして。

当たり前ですけど、調理だけじゃなくて、全部自分がしないといけません。

そこがフランチャイズ店とご自身で事業を行う場合の大きな違いのひとつですよね

しかも、お陰様でお客さんは増えてきていて、とてもありがたいんすけど、バタバタしてる割に物価高の影響でお金が全然残りません。

忙しそうにしているので、「めっちゃ儲かってるんやろ」とか言われますけど、僕の通帳見せてあげたいですよ笑

物価高の影響はそんなに大きいですか?

コロナとかウクライナの戦争とか原因は色々あると思いますが、かなり影響を受けています。

特にうちのメイン食材は、オープン当初よりも2倍近くなったりしていますし、食材だけでなく、炭とか油とかもめちゃくちゃ高くなっています。

だから、本当に申し訳ないですけどね。この5月で少し価格改定をさせて頂きます。

いつ頃から、この物価高の影響を感じるようになりました?

開業資金の返済が落ち着いた頃からですから、大体ここ半年くらいです。

1回に支払う金額が めちゃくちゃ高くなってるんですよ。極端に言うと、同じ商品を頼んでいても以前は1万円だったものが2万円払うようになっているような感じで。

そこからのこの半年間 きつかったですね。お弁当の容器を変えたり、できることはやったつもりなんですけど。 それでもトータルで見たら追いつかないです。

では最後に、今後こんなことをしたいとか、野望とかありますでしょうか?

たまに他店舗展開しないの?とか聞かれますけど、僕自身そのような思いは性格的にもあまり持っていないんですよ。

今度は自分がフランチャイザーになることにも興味がない?

ないです。それよりも家族に当たり前に恩返しができるようにしたいです。 今は家族にも手伝いに来てもらったりして、色々犠牲にして貰っていることがあります。

気持ち的にも余裕ができたら、ゆっくり温泉旅行にでも連れて行ってやりたいなと思います。

ご家族への感謝の想いが非常に大きいですね。

お店に関しては、やはりお客さんが来やすい店にしておきたいと思っています。

本当は僕がレジに立ってお客さんと言葉を交わしたいんですけどね。 そんな余裕がないので出来ていませんけど。

あとは、今は何もできていない地域活動も行いたいです。

以前はリーダーとしてオグザニアなんかのイベントも開催されていましたよね?

やりたい気持ちはあるんですが、あれはあれで時間と神経を使うので とてもじゃないですけど今はそんな余裕はありません。

ただ、いずれはそちらにも力を入れたいです。

 

次回に続きます

 

ホットスマミー 谷 隼人さん

3-1 再びお弁当屋さん始めることになった経緯と理由

3-2 オープンの日はもう思い出したくないです

3-3 谷さんがお薦めするホットスマミーのお弁当4つ

店名 ホットスマミー
場所 宇治市小倉町南堀池103-14
営業時間 10:00-14:00 
17:00-21:00
定休日 火曜日
TEL 0774-26-3772
ウェブサイト https://hottosu-mommy.com/

 

 

 

 

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