2019/01/15


カテゴリー : 商い | アート文化
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これだけ変化の激しい時代に、歴史のある事業を引き継いだ場合に難しいのは、何を変え、何を残すのかの判断です。「いいものさえ作っておけば」という発想で変化を拒めば、必ず時代から淘汰されます。また、節操なく変え続ければ、伝統を受け継ぐことはできません。

「伝統を守る」ということと、「変える」ということのバランスはどのようにお考えなんでしょうか ? 朝日焼 shop & galleryにお伺いし店主の松林俊幸さんからお話を聞いてきました。

朝日焼 店主 松林俊幸さん

こちらのお店は2017年にできたとお聞きしています。

そうですね。元々工房に併設していたお店があったんですが、老朽化もしていましたし、

ちょうど父が亡くなり兄が代を継ぐタイミングで、 窯元として自分たちでちゃんと情報を発信していく場所を作りたい、ということでお店のご縁を頂きました。

こちらは販売する場所としてお考えなのか、展示する場所としてお考えなのか、どちらなのでしょう?

両方の側面を持った場所として考えています。

shop & gallery という店名にしたのは、イベントであったり、企画展であったり、よりお茶というものを発信していきたいという思いがありますので、知ることも体験もして頂きたい、そして、もちろんお買い物もして頂きたいと考えています。

場所柄外国の方も多く来られるんじゃないですか?

京都市内や宇治橋通りと比べますとお客様の数自体は減りますが、今は1日のお客様のうち7割から8割ぐらいを占める時があります。

滞在時間はすごく長いと思いますよ。お客様によっては1時間ぐらい話して行かれる方もいらっしゃいます。

お客様は朝日焼をご存知の上でここに来られるのか、偶然知られて立ち寄られるのかどんな感じでしょ うか?

私ども松林家だけでつないできた一件の窯元ですので、知った上で来られる方はまだまだ少ないのですが、2割から3割ぐらいのお客様は朝日焼に来たいということで、お越し頂いていると思います。

周りのお茶屋さんからご紹介頂くこともありますし

ただ一度来て頂いたお客様が、またお客様を連れて頂いたり、2度3度と来て頂いたり、海外のお客様でも繰り返し来て頂いてるお客様が少なくない事がとても嬉しいです

朝日焼は長い歴史をお持ちです。伝統を受け継ぎ守るということは、ある意味「変えない」という意味も含まれているかと思います。

ただ、「変えない」ということは時代から淘汰されるということと背中合わせにあります。

「伝統を守る」ということと、「変える」ということのバランスはどのようにお考えなんでしょうか ?

守るべきところと変えるべきところの判断は、それぞれの代の当主が判断しているところです。

お兄様の代になって何か変わったところはありますか

より広く伝えるということであったり、朝日焼を知ってもらうという活動は兄の代になってより力を入れている部分ですね。

祖父や父の代は作り手である窯元が説明しすぎるのは、良くないという風潮があったように思いますが、今は、時代が少し変化し自分たちがしっかり伝えていかないと伝わらない時代になったと思っています。

それが窯元としてこの新店舗を始めたきっかけでもあります。

いいものをつくることと、それがいいものであることを伝えることは、同等に大切だと私も思います。

もちろんすべてではないのですがデパートに置いてもらったり、卸業者の方に販売してもらってもいるだけでは、伝わらないことがあるんですね。どう使うのかとか、どうしたら楽しいかとか、自分達の言葉でも伝えていかないといけないなと思っています。

こちらのお店にはどのようなお客様が来られるのでしょうか?

昔は考えられなかったお客様に今はお越し頂きます。 例えば東欧や南米のお客様や、或いは、男性でも女性でも20代のような若い方が何十万とする茶器を買ったりとか

20代の方が何十万の買い物!信じられないです

日本茶を好きになる方は、コーヒーを入口にされる方は少ないんですけれど、ワイン好きの方は日本茶お好きな方が多いですね。ソムリエの方であったり

レストランでワインを出して 日本茶を出すようになったり。後はファッション関係の方ですね。

 

次回(明日)に続きます

 

朝日焼 shop & gallery  松林俊幸さん

2-1 「伝統を守る」ことと、「変える」ことのバランスは?

2-2 制作は任せ、伝えることでブランドを管理する

屋号 朝日焼 shop & gallery
住所 宇治市宇治又振67
営業時間 10:00-17:00
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)・毎月最終火曜日
TEL 0774-23-2511

 

 

 

 

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