2019/03/16
今回も引き続き城陽市長池にある御菓子司 松屋の中川憲一さんからお話を聞いています。商品づくりに関しては、異要素を掛け合わせたり、ストーリーから商品をつくったり、経営資源としてしっかりデザインを用いたりと、金言が詰まっている気がします。
御菓子司 松屋 中川憲一さん
元々、僕は和菓子あまり食べないから、尖ったところばっかり行ったのが、スイーツにつながってると言うのはありますね。
お酒も飲めないしワインに合うお菓子を考えようと言ってチーズ饅頭が出来たり
チーズ饅頭はいつ頃できたんですか?
もう15年ぐらい前かな。 全部僕が開発しています。僕はもともと職人なんでね。
元々和菓子に対する執着心もないから自由な発想でやってるんで。
和菓子苦手なんですか?
あまり食べられないですね。そんな発想から入っているからスイーツに結びつくんですね。
和菓子の材料を使って洋菓子を作ったり、洋菓子の材料を使って和菓子を作ったり、色んな組み合わせで思いついたものを形にしています。
芋羊羹も洋風なんですよ、食べてみたらコーヒー、紅茶、何でも合います。
和菓子を作るという発想よりも、スイーツを作るという発想で取り組まれています?
そうですね。スイーツというかお菓子という発想で考えているんですよ。 今度の新しいブランドがそういう形でスタートしています。
和菓子のオープンキッチンを作ってるんです。
では、松屋さんの推しの商品を教えて頂けますでしょうか?
一番最初はチーズ饅頭ですね。 チーズ饅頭は洋菓子の材料を使って、和菓子の製法で作った和洋菓子みたいな物です。
いつ思いつかれたんですか?
これは20代後半、色んな社交場で「僕はお酒が好きやから、甘いもん苦手やねん」という言う方に出会った時、この人にどうやったら食べさせられるかなっていうところからです。
それで行き着いたのがワインと一緒に食べられるお菓子で、今、東京ではワインとよく合うということで評価頂いています。
外側はカリッとしたクッキー生地で、中はクリームチーズをそのまま使っています。
パッケージのデザインもすごく洗練されています。
デザインの時代だということです。チーズ饅頭は看板商品なんでね。
では、次の商品をご紹介頂けますでしょうか?
二つ目は、芋羊羹です。 嶋利平衛さんという、寺田いものルーツの偉人が、うちのご先祖とも仲が良くて、建立された嶋利平衛さんの遺跡にもうちのご先祖の名前が入ってるんですよ。
そういう縁があるから、仕組み、仕掛け、ストーリーが合っている商品が芋ようかんちゃうかということで開発しました。
芋羊羹という意味、形、見た目は古風なんですけど、食べた時に「えっ」と思うような、「これ洋か和かわからんわ」みたいな切り口がこれから大事かなと。
「新感覚和菓子」という名前をつけたんですけど、これがヒットしてテレビとかでも取り上げて貰うことになったんですね
チーズ饅頭といい、芋羊羹といい、ここにしかないものが多いですよね
そうですねウチにしかないできないものとか、ウチのストーリーに合ったものに特化する方が、オリジナリティを出せるかなと思っています。
「ストーリーに合ったものに特化」か、めちゃ参考になります。
三つ目は「芋プリン」ですね。 芋を使った商品でバリエーションを増やした方がいいなということで。芋に関しては利平衛ブランドというのを出しています。
寺田芋は有名なんですけど、ウチ独自で土からブレンドして、独自の土を作って、それを畑に持ち込んで畑から作り直しています。
この土を使って作ればどこで作って利平衛芋だよ、として差別化したんですよ
土からブレンド!
ただ、取れた芋を全部使うのは難しくて、なんか使い道ないかなって思っていた時に、たまたま芋焼酎を作る知り合いがいたんで持ち込んで完成しました。
和菓子屋が作る芋焼酎は面白いんちゃうかということで
確かに。どの商品にもストーリーがありますね。
ストーリー性とご縁があってできてます。
では、最後に、今後こんなことをしたいとか、もしあれば
ビジョンというのは、元々沢山ありすぎるんですけど、色んな意味で街のにぎわいに関わる仕事をしたいです。
今実は地ビールもやり始めていて、バーをやっていこうかとか計画を立てたりしています。
これからアウトレットも来るしね、街に対してうちの次世代の和菓子屋のスタイルを作っています。 技術が継承できない時代に、どうやって和菓子屋さんが残るかっていうのは今検証しています。
屋号 | 御菓子司 松屋 本店 |
住所 | 城陽市長池北清水27 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 毎週火曜日 |
TEL | 0774-52-0031 |
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