2019/09/18


カテゴリー : 地域情報
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今回は特定非営利活動法人 まちづくりねっと・うじにお伺いし、代表理事の日野 真代さんからお話を聞きます。

「殺してくれ」とまで言われた壮絶なお父様の介護を通して日野さんが感じたものは絶望で、絶望の大きな要因は周囲との断絶でした。そんな暗いトンネルを抜けた後、日野さんはまちづくりねっと・うじの立ち上げを決意されます。

こちら「NPO法人まちづくりねっと・うじ」は日野さんが立ち上げられたんですか?

平成20年4月4日に5人で立ち上げました

発起人は日野さんなんですよね。どのような経緯で立ち上げられたんですか?

父親の介護がきっかけでした。

病気で手と足が動かなくなってきて、最後は寝たきりになったんですけど、その時私は介護は家族がしないといけないものだと思い込んでいて

私はまだ子供が小さかったので、母親が一生懸命やってくれていたんですけれど、母が介護疲れで倒れてしまって。

その後は日野さんも?

その後、私と妹も手伝いに行っていたんですけれども、二人とも子供が小さかったもので、「もうあかん」と思って

その当時は私はパソコンが使えなかったので施設をタウンページで探して電話したんですけども全部ケアマネさんに断られたんです。

その時の暗いトンネルの中にいて、もがいていた気持ちが(NPO法人まちづくりねっと・うじ設立の)私の原点です。もうあかんと思いました。このまま家族で いなくなる方がいいのかなと思うぐらい。

それくらい追い詰められていたんですね

その時に市役所に電話してみたら、繋いで下さった課の担当の方がすごくちゃんと対応してくださったんです。 本当にちゃんと話を聞いて下さったんです。

私の命の恩人です。あの時の気持ちは今でも忘れられないです。これで助けてもらえると思いました。暗いトンネルから出してもらえると。

実際にそこが転換点になりました?

すぐにケアマネさんから連絡があって父親の介護度を見てヘルパーさんが来てくださるようになったら、今まで淀んでいた空気が変わったんです。それで自分の心に変化が起きました。

介護に悩んでいるのは私だけだと思っていたのが、その後、介護者の会というものに入ったらそういう人が沢山いらっしゃったんです。

今まで介護というのは家族でやるもんだと思い込んでいたけれども、同じ思いの人が何人もいるということは、「あ、違うんや、今まで自分が思っていたことが社会の課題なのかも」と思ったんですよ

色んな人に教えてもらって介護の仕方とか分かってきて、ちょっと気持ちに余裕が出来てくると父親にも優しく接することができるようなりましたし。

当時はお父様にも辛く当たることがあったんですか?

家族って容赦ないんですよ

何でも言えてしまいますからね

言わなくていい余計なことまで言ってしまいます。父親に「殺してくれ」と言われましたから。「みんなにこれ以上迷惑かけたくない」と言って。

家族だけであのまま介護をして市役所の方が繋いで下さってなかったら、今の私はなかったですよ。

あの時の私と同じようにトンネルの中で出口がないと思って、もがいている人に何かできないかなと思ったんですよ。 そして、仲間と一緒に NPO を立ち上げました。

なるほど、そういったお父様の介護がまちづくりねっと・うじを設立したルーツにあったんですね

父親の介護は確かに辛かったんですけど、気づけたことが2つありました。

1つは当たり前の毎日がどれだけ幸せかということに気づけたのと、 もう1つは人とつながって生きることが幸せなんだなーって気づけたんです。

確かに、日常にどっぷりつかっていると、当たり前のことに感謝できなくなります。

私は父親が手足が不自由になっていくことよりも、人との繋がりがなくなっていくのが辛かったんです。

私はまちづくりに対して何が出来るって言うわけではないですけど人と人とを繋げるようなことができたらいいなと思って活動しています。

まちづくりねっとさんは、誰に対して何をしているかと言うと、人と人を繋げることができたらなということが主眼にあるわけですね。

「まちづくりねっと」の「ねっと」はネットワークです。うちはパソコンの何でも相談とかもやっているので「ねっと」はインターネットのことと思ってらっしゃる方もおられるんですが

根底は人と人とを繋げたいんです。

 

次回(明日)に続きます

 

特定非営利活動法人 まちづくりねっと・うじ  日野 真代さん

3-1 父親の介護は辛かったけど、気づけたことが2つありました

3-2 有意義な人生を送ってねという母の言葉でNPOに専念

3-3 人づくりがしたいんでしょうね。

屋号 特定非営利活動法人 まちづくりねっと・うじ
住所 宇治市宇治妙楽48−1
TEL 070-4811-1311

 

 

 

 

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