2019/05/17


カテゴリー : 商い
タグ :

「ミヤコパンダ 餃子フェスへの無謀なる挑戦」

本日から5日連続で「ミヤコパンダ 餃子フェスへの無謀なる挑戦」をお届けします。 ミヤコパンダさんにとって、GWに広島で行われた「餃子フェス」への参加はまさに「挑戦」。困難につぐ困難。池田さんはどう乗り越えていったのか?池田さんご自身に寄稿頂きました。文章にドライブ感があり引き込まれていきますよ。

5-1 チャンスの前髪を掴め!←今日はココ

5-2 協力者の出現。大量の荷物を広島へ送れ!

5-3 レンタル鉄板では餃子がうまく焼けない!

5-4 途切れることのない行列

5-5 民泊滞在で家族のように。そして新たな仕込みへ

 

writer

ミヤコパンダ 池田 景

子供の頃、「夜店の人になりたい」と思っていた。
普段は帰らないと叱られる時間、その日だけ特別にもらったお小遣いを握りしめ、出かけた夏祭り。
裸電球に照らされたおもちゃはどれもぴかぴかと輝き、色とりどりの飴玉や、水槽を埋め尽くす金魚に目を奪われ、今日しか食べられないお祭りメニューを堪能する。
いつか屋台の人になろう、そんな思いをずっと持ち続けながら、私はいつのまにか大人になっていた。

 

「食フェス出店」への興味

宇治で餃子店を開業した1年目の冬、ご縁をいただいて宇治市の食イベントに出店したとき、私は子供の頃からの夢が一つ叶ったことを実感した。
小さなテントに飾り付けを施し、通りすがりに足を止めてくださるお客様と言葉を交わしながら、もしかしたら私は今、屋台の人になっているんじゃないだろうかと自問した。
その瞬間から、私の中で「食フェス出店」への興味が膨れ上がってきた

 

「餃子フェス」への申し込み

ひとくちに食フェスと言っても、たくさんのイベントがある。 B級グルメや、ご当地名物。 ネット検索は便利なツールだ。 パソコンのページをめくりながら、ふと目にした「餃子フェス」の文字。

えっ?そんなものがあるのか。

しかも「餃子女子」を対象にしたイベント。 うちの店のターゲットは、女性、子供、お年寄り。 メニュー作りをするときに、いつもそこを意識している、うちにうってつけのイベントじゃないか!
しかも来月のゴールデンウィークに大阪で開催されるという。 これは応募するよりほかない!というわけで「出店希望の方はこちら」のアイコンをクリックしてみた。

「当方京都府宇治市で開業し、この春2年目をむかえた餃子専門店です。餃子女子をターゲットにしたフェスということで、うちの店のコンセプトとぴったりなので応募しました。地元の食フェスでの出店経験もあります。ぜひ参加させて下さい」

今から思えばよくこんな自信満々な、そして無謀な応募をしたもんだなと思うけど、当時の私はまだまだ井の中の蛙なので、ある意味怖いもの知らず。 ダメもとでいってまえの精神で、送信。

 

諦めた後、突然の出店依頼

しかし先方からはなんの音沙汰もないまま、ゴールデンウィークがやってきた。
ああこりゃダメだったんだな、まぁ確かにあとでよくよく見てみたら、テレビや雑誌でも紹介されている規模のでっかい食フェスだし、なにより出店店舗もメニューももう公開されていたし、うちとはご縁がなかったんでしょうとあっさり諦めた。

ところが、翌年の2月末、ついに電話がかかってきた。

「長いことご連絡せずにすみません。餃子フェスのものですが」
「あー餃子フェス、知ってます知ってます。なんの御用ですか?」
「ご出店のお願いなんですが」

えーーー!?キタ?キタコレ、mjdsk!?ほんまかいや、なんなんそれ、こんなに間あいて連絡くるもんなん?新手の詐欺集団か?でも私が応募したのなんで詐欺集団が知ってるん?

「おおー!?是非出たいです」
「それについて、いくつかご確認といいますか、条件なのですが」

そのあと私は、一度上がり切ったテンションを、急降下させることになる。
その条件とは
1) 大阪じゃなくて広島への出店
2) 1日最低1500食、できれば2000食(宇治の食フェスで目いっぱい焼いて1日250食目安)
3) 10名くらいいないと回らない忙しさ
4) 宿泊費や交通費を含む、高額な経費
5) ゴールデンウィークの広島は宿がもういっぱいだががんばって探せ

 

チャンスの前髪を掴め!

・・・・・・・うん、そうか、そうなんやな。 ビッグな波に乗るっちゅうことは、こういうことなんやな。 チャンスの神様は前髪しか生えてない。 後ろはヌルヌルしたつるっぱげなので前髪しかつかめんという噂や。
今まさに私の目の前にチャンスの神様の前髪がチラついとるわけや!逃すな、今ここや。

「ハイやります!」

そう強気で答えたものの、本当は自信なんて全然なかった。 どないしょう・・・って途方に暮れるような心細さと、だまされてるんやないかしらっていう一抹の不安。
そんな私の背中を押してくれたのは、いつも私を支えてくれる仲間や家族の存在。 まずみんなに相談してみよう、悩むのはそれからやわ。

 

次回(明日)に続きます

 

屋号 ミヤコパンダ
住所 宇治市宇治半白19−11
営業時間 火曜~金曜 11:00~14:00 16:00~19:00
土曜 11:00~18:00
定休日 日曜・月曜・祝日
TEL 0774-51-4088

 

 

 

 

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