2019/06/26


カテゴリー : 編集部

舞台は2030年某月 宇治。そんなアホなという部分もありますが、もちろん無責任なフィクションです。時代の変化がどう宇治を変えるのか? もし、覚えていたら2030年になってからこの文章を読み返してみて下さい。

俺は宇治の小倉で生まれ、小倉で育ち、大学進学を機に東京へと移り住んだ。
2030年のこの春、無事大学を卒業し東京の会社に就職したばかりだ。
就職した後、初めてまとまった休みを取り、久しぶりに宇治に戻ることにした。

JRから降りると懐かしい宇治駅の階段を上がっていく。

宇治駅に人は多い。殆どが観光客だ。駅前にあるお茶壺のオブジェもある時を境に、突如”映える”スポットとなり観光客が大挙押し寄せている。SNSに投稿する時には決まりのハッシュタグがある「#ochatsubo」だ。

JR宇治駅も今や自動改札機がなくなり広々と使える。スマホのアプリを開いておけば情報は床面から読み取られるのでゲートが必要ないのだ。今や顔認証も普及し世の中から色んなゲートがなくなりつつある。

階段を降りていくと変わらず宇治の観光協会が運営する「おみやげプラザ宿木」がある。
今年から宿木も無人型店舗へと変わった。専用アプリをかざし中に入ると、久しぶりに京都巽庵の茶団子が食べたくなり、商品を拾いあげ、そのまま外にでた。

Amazon Goと仕組みは同じだ。アプリさえスマホに落としておけばディープラーニングですべて精算できる。

(↓参考資料)

 

今回、俺が宇治に帰ってきた主な目的は天ヶ瀬ダム周辺のエンタメ施設を体験するためだった。俺が子供の頃には考えられないほど、天ヶ瀬ダムは今、注目を集めている。
周辺の施設だけでなく、天ヶ瀬ダムグルメも人気だ。
茶房櫟のつくった「天ヶ瀬ダムカレー」をきっかけに様々なダムグルメが開発された。

今回、JR宇治駅から天ヶ瀬ダムまでの移動にはJR宇治駅前にある電動のキックボードのサービスを使う。シェアリングのパーソナルモビリティだ。素早く移動できるものではないが、移動を楽しむには丁度良い。
道交法も改正されヘルメットもナンバーも付けずに公道で使えるようになった。

(↓参考資料)

 

実はMaasアプリで東京の最寄りの駅から電動のキックボードでの移動まで予約済みだ。Maasの進展のおかげで、東京からの移動もシームレスになり楽になったものだ。

このシェアリングの電動キックボードのいいところは基地まで返しにこなくていいところだ。邪魔にならない所に乗り捨てしておけばいい。後でGPSを使って勝手に回収される。回収を仕事にしている人がいるのだ。

乗ってみるとかなり快適だ。移動を楽しむという発想が今までなかったことに気付かされた。

電動のキックボードでの移動の途中、上空から音がしたので見上げると配達用のドローンだった。規制緩和が進み、最近はECのプラットフォームが配達会社を使わず、市街地でも一部直接配達に乗り出しているのだ。おかげで注文すると1時間で配達されることもある。


天ヶ瀬ダムに到着するとさっそく歓声がきこえた。「スリーツーワン、バンジー!」天ヶ瀬ダムからのバンジージャンプだ。目眩のするような高さだが、長蛇の列ができている。Goproがレンタルできるうえ、ドローンで様子を撮影してくれるので、有料でデータ転送してもらえば自分のジャンプの様子をSNSに投稿できる。以前、観光地では知らない間に撮られた自分の写真が販売されていたが、いまや動画を販売している。2030年から6Gが導入され、動画のデータ転送になんの問題もない。

噂通り天ヶ瀬ダム周辺の開発は進んでいる。河川敷ではイベントが行われ、川沿いにはオープンカフェが立ち並んでいる。

ひと通り天ヶ瀬ダムを堪能すると、次は実家のある小倉に向かうことにした。
小倉まではUberを使うことにした。Uberがタクシーアプリとしてではなく、普通にダイナミックプライシングが機能するCtoCサービスとして使えるようになるまで随分と時間がかかったが、日本でもようやく本来の使い方ができるようになった。

ドライバーは普段会社員をやっているというおじさんだったが、Uberも自動運転になる日が近いだろう。

小倉への移動中車の中でフェイスブックを開くと、知り合いの投稿が目に止まった。ちょうど今、2030年オグマニアが開催されているらしい。
せっかくなので異色家styleよっしゃんに立ち寄り、おなじみのコロッケを食べることにした。入ってみると店内はオグマニア期間中ということもありお客さんが多く、知っている顔も多い。

コロッケの味は相変わらずだ、美味い。
コロッケの写真を撮り、#オグマニア2030 とハッシュタグをつけてSNSに投稿した。2030年オグマニアの期間中、このハッシュタグで投稿すると抽選で後日小倉でだけ使える地域通貨「オグ」が2,000オグもらえるらしい。最近はアプリひとつでブロックチェーンを用いた地域通貨を簡単にやりとりできる。便利になったものだ。
忙しい中、宮川さんも俺に声を掛けにきてくれた。宮川さんも最近お孫さんができたという。話している表情が嬉しそうだ。

コロッケを食べ、少し談笑した後、それ以上の注文はせず店を出ることにした。
今もオグマニアではスタンプラリーを実施している。精算時にスマホにデジタルスタンプを押して貰った。

支払いは顔認証だ。認証時に笑顔だとポイント2倍になる。

ちなみに、さすがに宇治でもキャッシュレス化は浸透し、QRコード決済も浸透した。ただ、最近の支払い方法のトレンドは顔認証での支払いだ。もう随分銀行には行っていない。

よっしゃんを出たあと、俺は足早に実家に向かうことにした。
なぜなら今晩は絶対に見逃せないコンテンツがあるのだ。
サッカーW杯2030年決勝だ。日本にとって大一番だ。

 

 

 

 

 

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